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アレルギー性疾患の根本原因治療(体質改善療法)

1.細胞膜は脂肪酸が内側に配列した2重構造

  細胞膜はリン脂質の2重膜構造をしている。リン脂質は親水性のリン酸基の頭部と2個の脂肪酸鎖の尾部からなる。尾部の脂肪酸鎖は、2個のまっすぐな飽和脂肪酸の組み合わせと飽和脂肪酸と曲がった不飽和脂肪酸との組み合わせがある。
  不飽和脂肪酸により細胞膜は柔らかさを増し、逆にコレステロールは細胞膜を硬くする役目がある。

2.炎症サイトカインは上流の細胞膜脂肪酸から産生される。

  不飽和脂肪酸には 一価不飽和脂肪酸(オレイン酸)と多価不飽和脂肪酸がある。多価不飽和脂肪酸の中で、末端から最初の2重結合の位置にてω3(n-3)不飽和脂肪酸、ω6(n-6)不飽和脂肪酸がある。
  ω3, ω6不飽和脂肪酸は人では合成されないので食物から摂取しなければならない必須脂肪酸である。
  ω-3不飽和脂肪酸には、EPA(エイコサペンタエン酸)、DHA(ドコサヘキサエン酸)、α−リノレン酸があり、ω-6不飽和脂肪酸には、リノール酸、γ-リノレン酸、アラキドン酸がある。
  両者の相違点は、ω6不飽和脂肪酸は、アラキドン酸カスケードによりPGE2TXA2などのエイコサノイドを産生し、血栓、動脈硬化促進、慢性炎症をきたす体質となる。
  ω3不飽和脂肪酸は、逆に抗血栓、抗動脈硬化作用、抗炎症の作用がある。
  身体にとっては、ω3/ω6(EPA/AA)比のバランス調節が健康管理法となる。

3.アラキドン酸カスケードにより産生されたPGE2がアレルギー体質の原因

  ヘルパーT細胞には、Th1細胞とTh2細胞とがあり、相互に抑制しあっている。
  抗原提示細胞(マクロファージ)が、細菌・バクテリアを貪食してIL-12を産生するか、それとも、花粉を貪食してPGE2を産生するかによって、Th1細胞(細胞性免疫)Th2細胞(液性免疫)が決まる。
  リノール酸、γ-リノレン酸(ω6)の摂取量が多いと、アラキドン酸カスケードによりPGE2が過剰に産生され、Th2細胞によるIgE抗体が過剰に産生されアレルギー体質となる。同時Th2細胞はTh1細胞活性を抑制し、細胞性免疫が低下する。


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