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めまい・浮遊感の原因

神経系障害
・ 末梢性めまい:回転性めまい(vertigo)
  三半規管,前庭神経、脳幹の異常により起こり前庭神経核より末梢側の神経異常で起こる。三半規管障害はメニエール氏病と言われる。
  目の前が回転しているような感覚を覚え、通常、耳鳴り、ひどい時は吐き気、嘔吐を起こす。
  通常、耳鼻科の「めまい」外来を受診する。

・中枢性めまい:浮遊感(dizziness) 当院でもっとも多い
  非回転性のふらつきで、小舟の上に立ているような足元がふらつく感じである。高齢者で、定期的な水分摂取の習慣のいない人に、特に夏場の脱水症状の1つとして起こる場合が多い。
 
当院ではMC-FANによる血流検査を行っており、血液の流れがドロドロ(血小板凝集亢進)の場合が多い。

  椎骨動脈ー脳庭動脈ー後大脳動脈の血流障害(脳庭動脈循環不全)が原因で、一時的な小脳機能障害により身体バランスがとりにくい状態である。通常、耳鳴りは起こらない。
  血流障害が後大脳動脈まで及ぶと、後頭葉にある視覚中枢の異常が起こり、目の焦点が合わない、テレビ画面を見ている様な感覚を持つ。動眼神経核に異常が起こると、物が2重(複視)に見えたりする。

循環器系障害
・ 立ちくらみ(faintness)
  起立性低血圧が代表で、頭から血の気が引くような感じ、目の前が真っ白になったと訴えることもある。しばらくすると回復する。高齢者では,転倒骨折の原因となる。上室性頻脈などの頻脈発作で血圧が急減に低下した場合でも起こる。
  完全房室ブロックによるアダムス・ストークス発作、血管迷走神経緊張性失神もあり、これらの疾患の鑑別のために、循環器専門医の診察を受ける必要がある。



MC-FANによる血流検査
歩行直後の血流(動画) 深層水飲用後の血流(動画)

  浮遊感を訴えて受診する患者は、水分を定期的に飲む習慣がない人が多い。脱水による血流所見は、血小板凝集亢進が見られ、単なる水分補給ではなく、“にがり水”によるマグネシウム補給を行うことにより改善する。当院では、“にがり水”の定期的飲用でも浮遊感がの改善がない場合には、血小板凝集抑制薬の処方を行っている。
  慢性的な脱水状態が続くと、脳では中大脳動脈からの穿通枝領域が虚血となり、脳MRI検査にて深部白質病変として認められ、ラクナ梗塞を起こす原因ともなる。
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