プラーク形成と破綻のメカニズム |
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1.プラーク(脂質コア)は、酸化LDLコレステロールの蓄積である。 プラーク説明図 |
2.プラークによる内腔狭窄は稀で、プラークの破綻まで無症状のことが多い。 |
従来、冠動脈狭窄から心筋梗塞にいたる経過として、血管壁で内部への脂質蓄積により形成されたプラークが徐々に大きくなり,血管内腔の狭窄度が高まる。一定以上(75%以上)の重度狭窄に至ると労作時狭心症が現れ,また,その重度狭窄部位に血栓が生ずると心筋梗塞に至ると考えられていた。 プラーク生成・進展に伴い血管径の拡大することをポジティブ・リモデリング(Glagov現象)といわれており、冠動脈内腔の狭窄(ネガティブ・リモデリング)の方が少ないと言われている。プラークが大きくなるにもかかわらず血管内腔径が減少しないのは,血管壁の外弾性板径が拡大し,血管径そのものが外側に拡大し、かなり重症になるまで冠動脈疾患が進展しない限り,血管内腔径は変化しない。 |
3.プラークの病態は多様であるが、破綻するまで血流障害を来たさないことが多い。 |
急性冠症候群(ACS)発症の原因となるのは「豊富な脂質コア」が「薄い線維性被膜」に覆われているプラークであり、ポジティブ・リモデリングがACS発症リスクを増大させる。IVUSによる研究では、不安定狭心症例でポジティブ・リモデリングが多く見られ,逆に安定狭心症(労作時狭心症)ではこうしたリモデリングが見られないという所見とも一致する。 |
4.急性心筋梗塞の68%は、責任冠動脈の狭窄度は50%以下(運動時無症状)である。 |
急性心筋梗塞を起こした責任冠動脈の狭窄病変を調べたFusterらの報告では、激しい運動でも無症状である50%以下の狭窄が68%、安静時は無症状である50%から70%の狭窄が18%であった。 心筋梗塞の発症原因は、冠動脈内プラークが破綻し、血小板血栓による急性冠動脈内閉塞であると疫学的な証明がなされ、急性冠症候群(Acute Coronary Syndrome, ACC)の新しい疾病概念が一般化した。 |
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